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映画「ヘアスプレー」口コミ感想・

2020年6月に、渡辺直美さん主演でミュージカル「ヘアスプレー」を上演することが発表されていますね。

「ヘアスプレー」は、

1988年公開の映画→2002年ブロードウェイでミュージカルとして上演→2007年リメイク映画、
そして、2016年にMBC放送でライブミュージカルが放送されています。

今回の感想は、2007年公開のリメイク版映画について。

タイトルの「ヘアスプレー」とは、ヒロイン・トレイシーのトレードマークである、ヘアスプレーをたっぷり使ってトップにボリュームを出した60年代に流行したヘアスタイルと、物語の中に出てくる人気テレビ番組『コーニー・コリンズ・ショー』のスポンサーが、そのヘアスプレーを販売する化粧品会社であることから。

ラストまでストーリーを全部追っていくような形でのネタバレはしませんが、ラスト直前までのあらすじは書きます。
またストーリーに触れずに感想を言うのはまあ、無理なので、なんも知らない状態で映画または舞台を観たい、という方は離脱してくださいね。

2007年公開の映画

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トレイシーの恋人リンク役にザック・エフロン、悪役ヴェルマ役にミシェル・ファイファーが出演。

2016年のライブミュージカル

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こちらは、ペニー役アリアナ・グランデ、ヴェルマ役クリスティン・チェノウェス。初めて見たときにはアリアナが出ているのにびっくりしました。

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映画「ヘアスプレー」あらすじ

舞台は1960年代初めのアメリカ・ボルチモア。

高校に通うトレイシーは、流行のビッグなヘアスタイルをばっちり決め、ダンスのセンスもあり、明るい性格、そしてサイズもビッグな女の子。

夢はティーンに大人気のダンスショー『コーニー・コリンズ・ショー』のメンバーになり、人気男子メンバーのリンクと踊り、スターになること。ある時、ショーのレギュラーメンバーの一人が抜け、空きができたことでオーディションが行われることに。

母親のエドナ(クリーニング店経営)は自分も太っていることを気にしており、テレビに出たらトレイシーが見た目のことでからかわれて傷つく、とオーディション反対しますが、父親ウィルバー(雑貨店経営)は、「ビッグならビッグになれ」と励まし、トレイシーは親友のペニーとオーディションに参加します。

しかし娘のアンバーをスターにすることしか考えていない番組のプロデューサー・ヴェルマに、太っているという理由で落とされてしまいます。

オーディションに出て遅刻したトレイシーは罰として黒人生徒一緒に居残りさせられます。
トレイシーはすぐにシーウィードたち黒人の生徒たちと仲良くなってR&Bのステップを教えてもらい、
トレイシーのダンスを目にしたリンクが、トレイシーをコーニーのダンスパーティに招待したことがきっかけで、憧れの『コーニー・コリンズ・ショー』のレギュラーになります。そして、トレイシーを仲立ちに、厳格なクリスチャンの母に縛られていたペニーやシーウィードと付き合い始めます。

番組に出演したトレイシーはたちまち人気ものになり、ミスター・ピンキーが経営するオーダーメイド洋品店のイメージキャラクターとして採用されます。太っていることを気にして引きこもっていたエドナを「マネージャーになってほしい」と引っ張り出してミスター・ピンキーの店に行くと、なんとエドナもイメージモデルになることに。

『コーニー・コリンズ・ショー』には月に1回、黒人だけが出演する「ブラック・デー」があるのですが、
トレイシーが「すべての日をブラック・デーにしたい」と発言したことに刺激された司会者のコーニーはヴェルマに差別の撤廃を訴えます。
しかし、ヴェルマは逆に「ブラック・デー」を廃止してしまいます。

トレイシーは「ブラック・デー」の司会であり、シーウィードとアイネス兄妹の母親であるモーターに、抗議のデモをすることを提案。
リンクは番組から降ろされれることを恐れて去り、トレイシーは白人のとしてはたった一人で抗議運動に参加することに。

デモ隊はテレビ局の前で警官隊ともみあいになり、トレイシーは警察から追われる身となってしまいます。

翌日は番組最大のイベント「ミス・ヘアスプレー・コンテスト」。
ヴェルマは大勢の警備員を配置してトレイシーや黒人たちの参加を阻み、アンバーの連続優勝を画策します。

コンテストの行方は、そして一度は行く道を違えたトレイシーとリンクの恋は・・・

はるまきの感想

とにかく主人公のトレイシーが明るくで、前向きで、体形をひけめに思うことなんてぜんぜんなくて、見ている方も元気になれる。

明るい元気な主人公って、ちょっとついていけないときもありますが、
トレイシーは、差別があることが当たり前だった中で、理屈ではなく、素敵なものは素敵だと素直に評価して、だれとでも仲良くなることができる、心根のいい娘なんですよね、そして、自分の損得を考えずに行動できる勇気もあって。

2020年の公演では渡辺直美さんがトレイシー役にキャスティングされていますが、
渡辺直美さんは、ビッグサイズだけれどという枕詞なんかいらないくらいおしゃれでかっこよくて、トレイシーが大人になったら渡辺直美さんみたいになるんじゃないかな?

また、映画ではトレイシーの母親エドナを、ジョン・トラボルタが女装して演じたことでも話題になりました。
家族が仲良く暮らしている幸せはあるけれど、見た目のコンプレックスから「自分なんて」と思っていたエドナがどんどんアクティブになっていく様子も見ていて爽快です。

今回の舞台では山口祐一郎さんがキャスティングされていますが、山口さんだと大柄だけれど普通にきれいなお母さんになりそう(笑)。

あとは、60年代音楽をフィーチャーしている音楽がすごくいい。

ミュージカル映画なので、音楽とダンスが入る場面はいっぱいあるんですが、60年代ポップスって、別にその時代に生きていたわけじゃなくてもなんか懐かしいし、輝いて感じられるのはどうしてなんでしょうね。

ラストの”You Can’t Stop the Beat”の場面だけでもご機嫌になれます。

オフィシャルトレーラーはこちら。

映画の脚本は舞台と比べるとあっさりめ、ではありますが

だいたい、ディズニーとかで映画を舞台化すると、
舞台の方が楽曲も多いし、エピソードもちょっと追加されていたり、テーマが重層化したりするんですが、この作品の場合も映画のストーリーは舞台と比べるとストーリーがシンプルなんですね。
舞台の方が(私が見たのは2016年のライブミュージカル版なんですが)、

例えば、舞台では、

「ブラック・デー」廃止以前の問題として、「母と娘の日」に黒人が出演できないことや、
抗議運動を提案するトレイシーに対して、モーター以外の黒人の大人たちが「面倒に巻き込まれたくない」と本音を言う場面、それに続いてモーターが自分たちの長い闘いについて歌う場面があったりするんです。

逆に、映画ではトレイシーを番組から追放しようとするヴェルマが、トレイシーの父親ウィルバーを誘惑するシーンは確か舞台にはないんですが、映画でもそのことが大きなトラブルになるよりも「ブラック・デー」廃止の抗議活動の方に話がなだれ込んでいきます。

クライマックスの「ミス・ヘアスプレーコンテスト」の後、それぞれの登場人物にどうオチがついたか、は映画ではほとんど描かれていなくて、そもそもコンテストの結果自体が違うんですよ。

ただ、映画は短い分、テンポよくどんどん展開していくのが気持ちいいし、

わりとさくっとした描写ではあるけれど、人種差別問題だけではなく、太っている、などの見た目で女性を差別すること、逆にビッグでも魅力的だ、という価値観があること、などのディープなテーマもちゃんと描かれてはいます。

(まあ、トレイシーとエドナは、見た目の問題はともかく、健康のためにもうちょっとやせた方がいいかな、とは思いますが・・・)

映画とミュージカルでは、クライマックスの「ミス・ヘアスプレイコンテスト」でのトレイシーの髪形が違います

映画で最後にトレーシーがこの髪形になるのは結構意味があるんですが、
舞台よりもエピソードがナンバーが少ない分、「髪形が変わる」という設定をあえて入れたのではないか、と私は考えているんです。

どういうことなのかはぜひ、映画本編を見てください!

まとめ

差別問題や、女性の見た目に対する価値観の問題にも触れつつ、全体的のトーンはコメディですし、最後もハッピーエンドなので、気負わないで、エンタテインメントとして見られます。

この映画を見ると、いつも思うことなんですが、背景となっている年代は、「ウエストサイドストーリー」とほとんど同じなんですよね。
WSSではだれも幸せにならないで終わりますが、「ヘアスプレー」は、みんながこうだったらいいのにな、というある意味での理想。

そして、トレイシーの姿を通して感じられる、「他人の目なんて気にしないで、やりたいことをやろう」、というメッセージは、
時代背景や国のもつ具体的な問題を超えて、これからもずっと響くものなんじゃないかと思います。



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