ちなみに、今年私が見た映画は11本。
特に深い映画ファン、マニアではない人が「面白さを人に伝えたい!」映画、と受け取ってもらえたらいいと思います!
目次
私が2018年に見た映画リスト
- バーフバリ~王の凱旋(インターナショナル版/完全版)
- バーフバリ=伝説誕生(インターナショナル版)
- ザ・グレイテストショーマン
- blank13
- リメンバーミー
- 君の名前で僕を呼んで
- ワンダー~君は太陽
- マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー
- 寝ても覚めても
- ポップ・アイ
- マガディーラ~勇者転生
バーフバリ王の凱旋
全シーンカラー見開き大ゴマの贅沢さ
できれば、第1部である伝説誕生とセットで見てほしいけど、「王の凱旋」からでも無問題。
映画でできるおもしろいこと全部盛り、全てのシーンがみどころ、少年ジャンプ誌の見開き大ゴマの連発みたいな映画です。
そうかといって、大味かというとそうではなく、敵役やサブキャラに深掘りできる要素があるのが日本での人気が長続きしている理由一つだと思います。
2017年暮れに見た映画「KUBO 日本の弦の秘密」は、日本の戦国時代を舞台にしつつファンタジーで、昔の角川映画の「里見八犬伝」みたいな面白さでした。主人公が子供なので恋愛要素はないけど。
それと同ジャンルのおもしろさかな。
「バーフバリ」の舞台は古代インドの王国「マヒシュマティ」。マヒシュマティは実在の古代都市の名前から取っているものの、史実に基づいているわけではなく、ほぼ神話のようなお話です。
主人公バーフバリ(親子二代)、ヒロインのデーヴァセーナ、敵役のバラーラデーヴァ以外も、名前のある役は全員キャラが濃く(笑)、なんなら、モブのおじさんや儀式でマントラを唱える行者のおじいさんにもファンがいるくらい画面に出てくる人がみんな印象的。
私はアメコミ系アクション映画は全く見ませんが、バーフバリのアクション映画の要素も楽しめました。慣れてないので、最初は首が飛ぶのとかびっくりしたけど。
人間関係がドロドロはしてるけどジメジメしなくて、気に入らない→排除!となる極端さがむしろ爽快ですらあります。
「バーフバリ」は、絶叫上映・マサラ上映といったイベント上映で話題になり、私も絶叫上映に四回参加しました。コアなファンが多い場ではありますが、初見でも入りにくい雰囲気はないので、機会があればイベント上映で見るのもいいと思います。
寝ても覚めても
ホラーではないスリルを味わいたい人に。
東出昌大さんがミステリアスな風来坊「麦(バク)」、実直で優しいサラリーマン「亮平」の二役を演じたことで話題になった映画。
ヒロイン朝子役は雑誌MORE専属モデルの唐田えりかさん。
ホラーとかゆるふわ破滅系という感想多いみたいですけど、私は朝子がそんなに突拍子もないとは思いませんでした。
少しもああいう要素の無い人生の方がこわい気がする。ホラーと感じるのもわかるんだけれど、あれを拒絶しちゃうと恋愛はできないんじゃないかなあ。
好きになるきっかけが、顔が好みだとか、不安なシチュエーションの時にいっしょにいたとか、そういう「たまたま」というのはよくあることだと思うんです。
そこから、一緒に過ごす時間や離れていて思う時間が、事実として積み上げられていくんだけれど、時にはそれをちゃぶ台返ししても、いやこっちに行きたい、というのはそんなに分からないことではない。
この映画は、8年間の「時間」を描いていますが、「時間」をより痛感させられたのは主人公3人の恋愛より、麦の親戚で朝子の先輩、岡崎のエピソードでした。
それと、朝子のルームメイトで舞台女優のマヤと亮介の同僚・耕介との、演技・演劇を巡るやりとりがすごく印象的でした。
好きな舞台俳優さんがこの映画をTwitterで勧めていて、その人は舞台の話には触れてなかったけど、舞台に関わっている人や舞台を観るのが好きな人はあの場面はうっ、と来るものがあると思う。
田中美佐子さんが演じる岡崎の母親、仲本工事さんが演じる三陸の猟師のおじさんは、よくある邦画のパターンでは、ちょっと含蓄のあることを言うベテラン俳優の「特別出演」「友情出演」の役、だと思うんですが、そういう薄っぺらいお決まりがないのもよかったです。
冒頭から最後までどう着地するのか分からないスリルを感じさせるのは、明るいのに不穏なtofebeatsの音楽の効果も大きい。特に、朝子が三陸から長距離バスで戻ってくるシーン。
2020年1月追記
東出昌大さんと唐田えりかさんの不倫報道で本編とは違う意味で記憶に残る映画になってしまいました。
ポップ・アイ
全部がうまくいくわけじゃないけれど生きているのってそう悪くないと思える
タイを舞台にしていますが、監督はシンガポールの人だそう。
プロモーションではほっこりロードムービーみたいに思えますが、そうでもなかった。
日本映画やテレビドラマの動物ものと、ゾウとの距離感がかなり違います。
ベタベタしないのは文化の違いなんだろうなあ。
タイでは野良ゾウ(使役ゾウのはずなのに持ち主が見当たらない)だったり、使役ゾウの無許可移動は問題になりますが、そうでなければゾウが道を歩いていること自体は普通みたいですし。
映画のテーマは、古いものと新しいものの交代、かつて切り捨てて来たものとの再会。
主人公のおじさん、タナーはしょぼくれた中年に見えますが、かつては名を知られた有名建築家で、社内では時代遅れとされていてもそれなりの地位にあり、お金持ち。
道端でゾウ一頭買っちゃって、庭で飼えるくらいの大きな家に住んでいて、ゾウと家出してからもお金には困ってないのが、予告の印象とは違いました。
ゾウ=ポップ アイはタナーのヘタな騎乗もじっと待ってくれて、旅も、「まあ、あんたがそういうならそれでもいいか」と付き合ってくれている。
動物との関係(もしかしたら人間同士も)、かなりの部分、互いの勝手な思い込みや投影なのかもしれないけど、(相手を尊重しなくちゃいけないのはもちろんとして)、それでも一緒に過ごした時間は事実。
ラストシーンの意味もそういうことなんだと思います。
あ、なんか、「寝ても覚めても」と同じようなこと言ってるな。そういう映画が好きなんでしょうね。
ちなみに、映画の中で、ポップ アイは、タナーが10才くらいの時に子ゾウで現在40才くらいという設定なんですが、ポップ アイを演じた「ボン」さんは、1995年生まれでまだ20代。若々しいきれいなゾウさんです。
まとめ
3本選びましたが、11本しか見てない、ってことはそれなりに面白そう、と思える映画を選んでいるので、どれも大外しはなかったです。
斎藤工さん初監督の「blank13」も良かったし。
ということで、冒頭に挙げた11本、機会があったら見て損はないかなーと思います。